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No. 79 アジア大会とドーピング


アジア大会とドーピング

 競技報酬とドーピング
★アジア大会にも蔓延か?・・・・インド選手のメダル2個はく奪

アジア・オリンピック評議会(OCA)は16日、同大会女子1500メートルで金
メダル、5000メートルで銅メダルを獲得したインドのスニタ・ラニをドーピング
(禁止薬物使用)で失格とし、両種目のメダルをはく奪した。ラニは競技後の検査で、
筋肉増強剤ナンドロロンに陽性反応を示していた。・・・この背景には何があったの
か?
 
 
★インドの場合━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回ドーピングが発覚したインドの場合、何があったのか?かつてインドにも優秀な
成績のアスリートは多数いた。しかし最近はさえない結果が続いている。経済不振の
問題はさけられない。そんなおり国民の間で論議がおこった。「インドは10億もの
人口がありながら、何故優秀な選手が輩出されないのか?」と・・・そこでインドの
政府はある提案をした。「アジア大会の金メダルには500万円を支給する」という
ものだ。(日本でいう貨幣価値なのか、インドにおける価値なのかは不明。しかし生
涯年収クラスの巨額なものらしい)これには効果覿面!活性化した陸上界は今大会で
金を5つ以上も獲得し、過去最高を記録した。しかし・・・あのドーピングが発覚し
たのである。本人は「数カ月前から肝臓の調子が悪い。漢方を服用していた。」と語っ
ている・・・・・が。
 
 
 
★アジアのスポーツ━━━━━━━━━━━━━━━━━
1994年の広島アジア大会での有名な逸話だが、生活資金を稼ぐため獲得したメダ
ルを売却したある国の選手がいた。アジア大会はかつて「国の経済力=強さ」が如実
に現れていたという。従って日本が戦後復興に合わせ経済成長を遂げたように、アジ
ア大会でも日本が大活躍した。しかしアジアには貧困にあえぐ国が多い。身体能力、
体格的には欧州に見劣りしない国だってある。しかし、スポーツに興じられる時間と
資金が無いのである。中国の様に国全体がスポーツを援助し、成功者には相応の報酬
を与えている国はもちろん強い。資本主義である韓国だって国が「名誉と報酬」を保
証している。だれしも志気が昂揚するはずだ。
 
 
 
★スポーツの報酬━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京五輪を控えた頃、「神様・織田幹雄」がある選手に目を引き付けられた。「あの
若者が陸上をやってくれたら、確実にメダルなんだが・・・」。神様にメダル当確を
言わしめたその人は大洋ホエールズの権藤選手(前監督)新人ながら35勝投手に輝
いたが、酷使がたたって短い選手生命であった。才能あふれる若者は、一時のアマチュ
アメダルよりも華々しいプロ野球を選んだのだ。

一流選手はその報酬を目指して努力を積み重ねた結果であり、人生を賭けて特殊能力
を身につけた。「資本主義」である以上、相応の報酬を要求すべきだし、それを躊躇
(ちゅうちょ)すべきでもないと思う。日本には報酬を要求すると「せこい」「いじ
きたない」という風潮が根強く残っている。プロ野球選手の報酬に例えれば、高橋尚
子なら最低限、メジャーリーガーくらい貰って当然。日本女性陸上初の金メダル、メ
ジャーマラソン連覇、世界新記録までを獲得したのだから。日本での陸上は、あくま
で学校や企業スポーツの域を出ないため、「先生と生徒、社員」のままであり学校、
会社の一員」システム。世界と戦える素材はあるのに、有能な選手は野球に進み陸上
に見向きもしない。生活向上のモチベーションが伴えないからこれでは生涯スポーツ
として普及しない。今後も大きな改革はないと思う。マスコミの取扱いも「芸能、ス
ポーツ」で区分けされている。
 

 ★日本の今後━━━━━━━━━━━━━━━━━
アジア大会はこのドーピング事件の結果、1500mと5000mでそれぞれ3位と
4位だった市川良子が繰り上がり、銀と銅を獲得した。しかし日本の陸上メダル数は
金2個であり、史上最低であることは変わりない。
 
 アジア大会陸上各国メダル獲得数
 国 名      金  銀  銅   計
 中 国     14 14 13  41
 サウジアラビア  7  1  0   8
 インド      6  6  4  16
 カザフスタン   3  4  5  12
 韓 国      3  2  1   6
 日 本      2 14  8  24


★世界陸上は成功させられるのか?━━━━━━━━━━━━━━━━━

2007の世界陸上に大阪が決定した。しかし今回のアジア大会の惨敗を受けて「こ
んな状況ではスポンサーはつかない!早急にどうにかしろ!!」と選手団監督に勅令
があったという・・・(別に手を抜いているのではないだろうに・・・)

あとわずか5年で陸上界の復建を起こすには、選手育成も大事だが、「競技
=仕事=報酬」を確立してあげないと成功はありえないと思う。せめて韓国のように。
5年前のアマチュアリズムをいつまで引きずるのか・・・が、日本陸上再興の最重
要課題だと思う。「がんばって成功すれば、暮らしが楽なる!」・・これが人間の基
本である。このままでは「演歌的」な野球しか日本では残らないだろう。(その体育
会的日本野球も、21世紀の少年にはつらいか・・・?) 
愚痴ばかりでもしかたない。私は日本のスポーツ選手の地位向上こそが、世界におけ
る日本の評価向上につながると思うのだが・・・。

筆 のもと歯科

追加・・・新聞記事より
長距離種目の世界新誕生でEPO検査実施へ 国際陸連

国際陸連は15日、来季から長距離種目で世界新記録が誕生した際には、通常のドー
ピング(薬物使用)検査に加え持久力向上効果のあるエリスロポエチン(EPO)の
検査を義務付けるガイドラインを定めた。同陸連が今年1月から10月末までに実施
したドーピング検査は2385件で、そのうち陽性は79件だった。(共同)(毎日
新聞)
 
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