No. 81 02年クラブ戦後記
02年クラブ戦後記
02年クラブ戦後記 ★100回記念大会━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本の陸上競技の中で、100回を超える大会は稀である。1994年くらいまで2 回/年で開催されてきたので、実質50年くらいであるが、それでも半世紀もの長さ だ。この試合は、「社会人になって大きな試合には出られないが競技は続けたい愛好 家」にうってつけといえる。全盛期の記録に肉迫する立派な競技者もいれば、失笑を かってしまう記録の選手も何人かいる。みな社会人になって、転勤や時間的拘束が激 しくなり、環境は学生時代とは比較にならない忙しさになる。自分が歳を重ねてみて、 年輩のがんばりが分かってくるのも大切な経験。みなそれぞれに競技を楽しんでいる のである。 ★常に総合を狙って━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1970年代以前の春高諸先輩方には申し訳ないが、ここ20年県大会、さらに東部 地区も含めて総合優勝を経験した事がない。その点、クラブ戦は常に総合優勝にから める醍醐味もある。この10年で半分近くは総合3位以内に入っている優秀な戦績。 しかしエントリーが私1人という事もあった。この浮き沈みの激しさは、「参加は個 人の自主性」のみに頼っているからだ。強制はない。卒業しても春高生は変わらない のである。 ★競技開始━━━━━━━━━━━━━━━━━ 近年の後輩諸君はきちんとしていて、かつてのドタキャン(800mの今○くん)も 少なく、円滑に皆が集った。昨年とは打って変わって最高の好天。乱戦の予感が走る。 トラック ★9時30 400mタイム決勝 2点 41回主将塩川はご存知87年神戸インターハイ3位。記録こそ太郎に抜かれたものの、 インターハイ400m順位においては春高最高位である。しかし現在は脚を故障して かなり厳しい状態。しかし意地の完走。49回吉田、50回中西は現マイル記録メン バー。吉田は800mでも1分56秒で走れるロングスプリンターである。今年は仕 事で広島に住み、社会人の時間的拘束をきっと痛感しているだろう。しかしがんばっ て7位入賞。中西の3年次は捻挫のため個人のインターハイは経験していないが、久々 の400mにトライ。(200mがないので)卒論でほとんど練習は出来ていない中の 400mはつらい。結果は僅差で塩川が中西に勝った。 ★9時50 110mHタイム決勝 2点 塩川はポイントの為ハードルにも出場してくれた、感謝。しかし脚を引きずり断念。 ありがとう、もう充分です。54回馬橋は17年振りに石井の記録を塗り替えたハー ドラ−。「13秒台を狙います!」とみなを感涙させてくれた。しかしそれは哀愁の 涙に変わってしまった。久しぶりのレースで軽い肉離れ・・・・途中レース復帰も試 みたがリタイア。馬橋選手はまだ19歳と若い。早く治して素晴らしいハードルさば きを、来年も見せて欲しい。(でも彼はおもしろい。春高らしいキャラだ)そんな中、 昨年準優勝の流が今年も安定した走りで7位。練習なしだというが、毎回自己タイ記 録あたりで走れるには不思議だ。練習なしでハイハードルは超えられるんだろうか? (かわいい彼女が来た事もプラスになったのは言うまでもない) ★10時15 100mタイム決勝 5点 この10年春高会でポイントを取ったのは八木だけである。入賞記録(6位で電気計 時11秒5くらい)を見てみなエントリーしないからだ。八木はついに昨年入賞。連 続ポイントを狙った。しかし仕事での出張続きでトレーニングは出来ていない。直前 まで2週間海外にいたのだから。しかし彼の集中力は途切れなかった。いつもながら その日のうちに北海道に帰るスケジュールの中、タイムレース組で1着に。トータル でも見事連続入賞を果たした。投てきは選手寿命が比較的長いが、瞬間芸の100m で維持するのは厳しいはず。趣味で走るには、よほど自己管理が出来ていないと難し い。さすが47回主将、そのあたりの哲学は同期の葛西も持ち合わせている。 ★10時30 800mタイム決勝 1点 倉田は今年も力走した。上位3人は自衛隊学校の「本職」。タイムレースなので早い 組みになればもっと良かったはずだ。しかしこの1点がクラブ戦には大変貴重だ。 ★11時20 400mR 5点 何と言っても昨年の優勝チームである。いつもながらの「パス練なし」で臨んだ。特 に中西ー吉田は6年前のマイル経験あるため、中西は「バトン練習は必要無い!」と 吉田先輩に言い切ったらしい。(吉田談)実際はバトンで1秒半くらいはロスしてい るが、それは仕方ない。順当に組で1着、総合4位の大健闘。吉田は今年もテープを 切った。 フィールド ★10時 高跳び 4点 天候に左右されるこの種目も、ポイントがまだない。私が30歳のころ(於・上尾) 1m70で7位、6年くらい前に二瓶が1m80で7位(6位入賞制のころ)があるだ け。しかし今回は勝手が違う。1m87の記録を持つ万能・霜越がいる。跳躍練習は 全くしていないとのことだが、跳躍は「センス」の問題なので心配ない。もともと 「さぼりバネ」に頼る春高跳躍班は練習しない。(小原監督すいません)しかし過密 なタイムテーブルの中、400mRの決勝が迫ってきた。1m80をクリアしたのち、 1走の役目を果たし、またピットにつく。混成競技でもありえないハードさ。しかし 霜越の集中力は冴えた。1m85を見事クリア。事実上、鮮やかな自己新記録といえ よう。直後に彼は「やりがあるんでパスします」と爽やかに言って去っていった。「・ ・うーんかっこいい!!」彼の美しい跳躍をカメラ越しに見つめながら、私は感嘆し てしまった。・・・ちなみに私は「悪天候なら8人を割るので出てみよう!」とエン トリーしたものの、快晴で10人集合。最初の高さがクリアできず10位に沈んだ。 自分が11歳の時は跳べた高さだ。競技場の失笑をかったが、何ら恥ずかしいとは思 わない。春高会は、みんな様々な努力で参加してくれている。後輩を前に私が尻込み してどうするか! ★砲丸 円盤 16点 今年の注目は何と言っても「ハンマーの葛西陽介」である。高校ハンマー54m84の記 録は清水(インターハイ6位)に次ぐ好記録だ。回転投法を使う砲丸も10m33で 3位、円盤も29m73で4位と見事にまとめた。関東大会出場した兼子も砲丸で4 位につけ、毎年確実にポイント。彼も八木と同様に札幌からの遠征である。34歳に してはあまりにも屈強な上腕筋。年に一回しか投げないが、しみ込んだフォームは崩 れない。ちなみに40回森丘も利かぬ身体にむち打って円盤に出場。惜敗した。密か に私も砲丸9位。私はここ一番に高校時代から弱い。 ★12時30 やり投げ 三段 この10年で最もポイントをあげているのが石田である。勝率は極めて高い。3位か ら落ちた事はないと記憶している。春高会の30代なかばのおっさん達を除くと、実 質中核でありエースである。以前はリレーも走った。11月に同好会の彼女とめでた く結婚を控え、是非とも今回も優勝で飾りたい。そして高跳びから早々に引き上げた 霜越がやりでの高得点を狙う。1本目こそ集中できなかったものの、2回目から悠々 と50mを超える。我々は毎年スタンドでそれを見つめながら競技会の終了を迎える のだ。接戦が続き49m以上が6人と混戦。霜越は49m17と4位に7cm差で5位に。 石田の投てきはどんどん冴え渡り、2位を3m突き放す54m93で堂々優勝。霜越、 石田の早大コンビで12点をたたき出した。 ★総合4位 48点 春高ならばこその自由な雰囲気 3、4、5位と1点差で3位に。私が言う事ではないが、健闘ではないだろうか。春 高会の本来の目的は「楽しむ事」なので、順位だけを追求するとこのメンバーは集れ ないだろう。みな歳を重ねてきて味が出てきた。(私はムダに歳だけ重ねてきた・・ 泣)最近は彼女、奥様が同伴してくれて更に良い雰囲気だ。どんどん歓迎したい。競 技場に来て一緒に観戦できる女性に悪い人はいない。恒例になったクラブ戦後の会食 はいつも楽しい。 筆 のもと歯科
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