DiaryJoinE-listAvenuesCollegeLifeGo to Top

No.105 1968年メキシコ五輪の「特異」なこと 2



No.105 1968年メキシコ五輪の「特異」なこと 2

6、短距離革命 これらの新記録は、その後さん然と輝き続けることになった。 100m9秒95は、やはり高地でのカルビンスミスにより、 更新に15年もかかって9秒93に。200m19秒83のトミースミスは、 同じくメキシコで11年後、イタリアのメンネアに19秒72へ。 400m43秒86のエヴァンスに至っては、20年も後のソウル 五輪の年、Bレイノルズに43秒29。1600mR3分56秒1は、 一気に数秒短縮の大記録だったため、24年もかかってバルセロナ五輪で やっと更新。アメリカによる2分55秒74は、あのマイケルジョンソンを 入れてのものだった。・・・いずれも11年から24年もの期間を 要している。高地での競技は、毎年開催されている。 従って、単に高地だけのものでは無い、特別な「何か」が、この大会に はあったとしか思えない。 7、連勝 空気が薄いため、長距離の記録は望めなかったが、男子マラソンで エチオピアがアベベに続き3連勝。円盤投げのアルオーター(アメリカ)が、 前人未到の4連勝を成し遂げた。4連勝は、ルイスと二人だけ。 ちなみにアルオーターは年配となった1980年のモスクワ五輪選考会 で惜しくも4位で代表を逃した。なぜその中間年は長く競技を中断して いたのか皆さんご存知であろうか? ・・・それは「愛娘の教育に専念したいから」であった。 12年の空白があっても全米で4位に入るのだから、メキシコに続く 1972年ミュンヘン大会も勝って5連勝したかもしれない。 しかし彼にとっては、最愛の娘を優先したのである。欧米の一流選手は 目的が簡潔にはっきりしている。その期間に彼がするべきことは円盤 よりも娘への愛情であったのだ。立派だと思う。 参考までに、3連勝は三段跳びのサネイエフ(ソビエト)、槍投げの ゼレズニー(チェコ)などがいる。4年ごとに毎回世界一決定戦の 数分間にピークを合わせられる、いずれも「超人」である。難易度が 最も高い100mで、ルイスは連覇した唯一の人間。先述した三段跳びの サネイエフ(ソビエト)は4連覇のかかった地元モスクワ五輪(1980) はメダルをとったものの、快挙を逃した。しかし変わらず17m30を 超える大ジャンプを披露し、神がかり的な集中力と、技術種目は選手生命が 長いことを証明した形となった。 メキシコ五輪決勝 男子 100m 1位 世界新記録五輪新 ジムハインズ(アメリカ)9″95 200m 1位 世界新記録五輪新 トミースミス(アメリカ)19″83 400m 1位 世界新記録五輪新 リーエヴァンス(アメリカ)43″86 800m 1位 世界新記録五輪新 ドーベル(オーストラリア)1′44″3 400mH 1位 世界新記録五輪新 ヘメリー(イギリス)48″12 400mR 1位 アメリカ38″2世界新記録五輪新 1600mR 1位 アメリカ2′56″16世界新記録五輪新 走り高跳び 1位 米国新 D・フォスベリー(アメリカ)2m24 走り幅跳び 1位 世界新記録五輪新 ボブビーモン(アメリカ)8m90 三段跳び 1位 世界新記録五輪新 ビクトルサネイエフ(ソ連)17m39 円盤投げ 1位 4連勝! アルオーター(アメリカ)64m78 筆 のもと歯科 (07/2004) <<前の記事へ 次の記事へ>>