No.126 ワクチンの是非



ワクチンの是非

★インフルエンザワクチンについての追加 インフルエンザについての概要は前コラムで記述しましたが、 今回はワクチンについての詳細を記します。 わかりやすく言うと、私は専門家でありません。 したがってワクチンの有効性、必要性は重要な事なので、 日本医師会のHPより一部引用させていただきました。 なお、当然のことですが、インフルエンザワクチンの接種では SARSはもちろん、他のウイルスによる「かぜ」(かぜ症候群)にも 効果はありません。 ★かいつまんでいうと・・ 詳細は専門医が記述した最後の記事を読んでください。 かいつまんで言うと、接種後効果がでるまで2週間。効能は約5ヶ月。 近年は、医科に受診した初日に「風邪かインフルエンザか?」 を判定する試薬があり、当日のうちに抗インフルエンザ薬を 服用できるようになりました。 (でないと感染後48時間を過ぎてしまい、抗インフルエンザ薬は効果が出ないため) ★ワクチンは無効? ・・・ここからが重要なポイントですが、医師の中には 「ワクチンは無効」と唱える声が少なからず存在します。 つまり自身が過去に罹患した既往歴があるか否かに 左右されるという論です。このあたりは畑違いの私が軽率に判定するべきでもないので、 単純に引用するだけにします。直接お読みになってご考察ください。 ★・・・以下、日本医師会HPから引用 インフルエンザワクチンの接種の効果 インフルエンザワクチンの接種を行うことで、インフルエンザに よる重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限に とどめることが期待できます。このワクチンの効果は、 年齢、本人の体調、そのシーズンのインフルエンザの流行株と ワクチンに含まれている株の合致状況によっても変わります。 ワクチンの接種を受けないでインフルエンザにかかった 65歳以上の健常な高齢者について、もし接種していたら約45%の 発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったと 報告されています。特に65歳以上の方や基礎疾患がある方 (気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、先天性心疾患等の 循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全症(免疫抑制剤による 免疫低下も含む)など)では、インフルエンザが重症化しやすいので、 かかりつけの医師とよく相談のうえ、接種を受けられることをお勧めします。 予防接種法に基づく定期接種の不適当者としては、 予防接種実施規則に以下のように示されています。 <予防接種実施規則第6条による接種不適当者(抜粋)> (1) 明らかな発熱*を呈している者 (2) 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者 (3) 当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によって アナフィラキシーショックを呈したことが明らかな者 (4) その他、予防接種を行うことが不適当な状態にある者   *:通常は、37.5度を超える場合をいいます。 インフルエンザに対するワクチンは、個人差はありますが、 その効果が現れるまでに通常約2週間程度かかり、 約5ヶ月間その効果が持続するとされています。 また、過去に同じ型のインフルエンザにかかっているか、 ワクチン接種歴が有るか無いかにより、ワクチンの効果が 現れるまでに差があると考えられています。多少地域差はあり ますが、日本でのインフルエンザの流行は12月下旬から 3月上旬が中心になりますので、12月上旬までには接種を すまされることをお勧めします。 現在、日本で行われているインフルエンザワクチン接種に 使用するインフルエンザHAワクチンについては、 平成12年7月から薬事法上の用法・用量が以下のようになりました。 年齢群 接種用量・方法 接種間隔・回数 13歳以上 0.5mlを皮下 1回又はおよそ1〜4週間の間隔をおいて2回接種 6歳〜13歳未満 0.3mlを皮下 およそ1〜4週間の間隔をおいて2回 1歳〜6歳未満 0.2mlを皮下 およそ1〜4週間の間隔をおいて2回 1歳未満 0.1mlを皮下 およそ1〜4週間の間隔をおいて2回 ★・・・以下、ある小児科医師のHPから引用 学童に対する効果がないことは、前橋市医師会の優れた調査研究で 証明済み、その後これを否定する調査研究は現れていません。 効果があるとする研究報告は数多く出されていますが、 そのほとんどは小規模の血中抗体価だけで断定していて、 実際上の感染予防効果と発病阻止効果と重症化阻止効果を 大規模のRCT(無作為対象試験)という方法で証明すべきとする 国際的スタンダードに反し、当てにはなりません。 乳幼児に対する予防接種の効果については、厚生省が 「不明」としており、平成12年度厚生科学研究費補助金 (新興・再興感染症研究事業)研究報告書「乳幼児に対する インフルエンザワクチンの効果に関する研究」は、 インフルエンザ様疾患(39.0℃以上)に対するワクチン接種の 有効性については、1-5歳の幼児では接種するとかかるリスクは 0.72倍(つまり30%ほどは有効)になるが、1歳未満の有効性は 明らかでなかった、と報告しました。 また、その他の乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果の報告では、 2-6才 感染防止効果は A香港型 50% B型無効 (菅谷憲夫,1994年) 2-5才 感染防止効果は A香港型 31% B型45%(Eugene S.Hurwitz,2000年) 5-10月児 抗体獲得は Aソ連型56% A香港型24% B型48% (山本淳,2001年) となっています。   これらの研究結果を総合すると、インフルエンザワクチンの 効果は悪く、十分な効果を上げるには「過去にインフルエンザに 自然感染している必要がある」との結論づけられます。 どうやら、効果がある児はすでにインフルエンザ感染を していると思われます。  ですから、はじめてシーズンを迎える乳幼児には効果があるかどうかは疑問です。  なお、インフルエンザ脳炎・脳症の防止に効果があるとの報告もありません。 老人に対する効果については、日本には老人施設でのたった1つの研究がある だけで、結果も全体としては、かなりの効果が認められるものの、 施設によるばらつきの多いことに疑問を持たざるをえません。 欧米の研究では「有効」とするものが多いのですが、 研究の方法に厳密さを欠くものがほとんど。 よく模範にされるアメリカでは、接種率が65%を越えても、 老人の死亡を減らしているわけではないのです。 そんな中で最も厳密な方法で行われたオランダの研究でも、 接種した人たちは接種しなかった人たちと比べて1.6%しか発病者が減っていません。 のもと歯科 <<前へ 次へ>>