No.131 全国に挑む後輩たち7−3  赤い疾風



全国に挑む後輩たち7−3  赤い疾風

★200m予選 朝、見逃したが200m予選だが、当然後藤たちはトップ通過。 伊藤、石川22秒6の同タイムで並んだ。後藤は22秒32。余裕通過。 さてこれからが短距離で一番面白い準決勝である。記録と順位が 問われる準決勝は、選手には最も過酷なレースになるだろうが、 我が後輩たちは申し訳ないくらい強く、自信にあふれている(私的感情だが)。 結果、後藤は無風状態で22秒01と、また自己最高記録をマーク。 非常に調子がいい。伊藤が22秒15、石川に至っては22秒08の 好タイム!強い!本当に強い!トータルの記録でもうちの3人は 上位5番以内にいるので、100mに続き全員関東進出もありえる。 そんなこと、私にいわせれば「奇跡」に近い。 ★ エース徳永 そんな興奮を前に男子3000SC 予選が始まった。うちのエースの徳永は好発進。 上位をがんばってキープしている。5位でゴール、9分48秒94で 見事決勝進出を決めた!とかく短距離に目 を引かれがちだが、 3000mCSのファイナルに進むのは素晴らしい功績だ。 この徳永、スタンドで会っても非常にまじめで礼儀正しい。 インテリ顔の好青年 (少年か・・)。人柄が競技によく現れている。 ★ 奇跡の200m決勝 あの劇的な100mから一日。マスコミにも取り上げられ、まさに上尾は 「赤シャツ旋風」 が吹き荒れている。観衆の目はスタート地点に釘付けだ。 追い風ながら前日の100mで10秒47、10秒50というとんでもない 記録を見せた後藤が、今日はどんな走りを見せるのか。 しかし、そこは埼玉県勢。そうは簡単に勝たせてもらえるのだろうか・・・。 コールされる。トラック中央、2,5,6、レーンに春日部高校の「赤シャツ」が 3人もそろっている。 その光景は圧巻だ。春日部高校3人、埼玉栄3人。 観客席がざわめく。 「すげえ、春高3人真ん中だよ。」 「栄vs春高だ・・・」 一生で幾度あるかわからないシーンにぞくぞくした。 嵯峨根さんが、昨日の100m決勝を見て感激していたのがよくわかる。 きれいにスタート! やはり5レーン後藤が速い!2レーンの伊藤もいい、石川も中盤にいる! 石川は内側に後藤を追う形で6レーンを駆ける。 OBとしては 「頼む!3人入ってくれ!!」と目が潤んでしまった。 後藤は危なげなく圧勝!速報は21秒78!伊藤は2位と30cm差 の3位!すごい。石川は!?太郎に 聞くと「6着には、入ったと思う。」と。 自分のカメラを再生してみると、しっかり6位に入っている。やった!! ★ 全員関東へ! 奇跡だ。現時点で100m200m2冠、全員関東へ。 10秒50、21秒78・・・どれをとっても奇跡にしか見えない。 100m全員関東出場は昭和36年(大木伸男さんの代。関東では800mR優勝) 以来、200mに至っては創部以来初だという快挙!! あの、最強の時代をもってしても、100m200mで全員の関東大会進出は 成し得なかったのである。 当の選手たちは、実に淡々としているのが また頼もしい。伊藤も念願の 21秒台スプリンターに。石川はいつ見てもレースがうまい。400mもこなせる ためか、スルスルと抜け出す。400mで3本走 りきらなかったのも、 結果としては良かったかもしれない。石川はリレーも含めて大きな存在だ。 まだ2年生。 ★ マイルの悩み 雨の中、1600mRの予選が始まった。県大会のマイルは意外に怖い。 大会も終盤で、スタミナ温存して選手を交代させたら落選したり、 疲労がたまって個人種目との掛け持ちが苦しくなったりと、監督には 毎年悩みの種である。埼玉県である以上、安住はないのだ。 監督は、精神的に疲れ果てたであろう石川の起用にも迷ったという。 石川には全精力を200mに使わせたので、その決勝からわずか 50分のマイルはしんどい。マイルは一レースに5分くらいを 要するので、後半の組なら休めようものの、なんと一組スタート・・・ しかしそんな心配は無用。若き力はトップをひた走る。100mで 驚くべき伸びを見せる2年生の田中、200mで先ほど快走した 伊藤と石川へ安定してつなぐ。発熱し三段を棄権するアンカー高橋 だったが、2位に5秒の大差をつけ余裕のゴール。 これで明日のセミファイナルに進める。 ★ 最終日 5月16日(月) 第4日目 4×400mR 準(3-2+2) 11:00 110mH 予(7-3+3) 12:00 奥岡・小柳 110mH 準(3-2+2) 13:30 3000mSC 決 14:00 110mH 決 15:00 4×400mR 決 15:45 三段跳 決 12:30 高橋 ★ 厳しい1600mR。 110mHを控える奥岡はマイルの準決勝には当然起用できない。 3走までの遅れを取り返したのは、100m200mの代表を獲得した 伊藤だった。一人抜き3着でゴール。2着プラス2なのでトータル7番目 の記録で拾われた! チームの勢いが違う。 実力はあっても、過去には惜しいところで競り負けることが多かった。 しかし今のチームは本当に勝負強い。「ここ一番」で必ず勝つ。 これは単なる運ではあるまい。土壇場での集中力も含めて、 監督の狙い通りのチームに育ったというべきか・・・ また3000mSCの徳永は前日の力走で踵痛が悪化。予選の記録を 上回る事が出来ずに14位。一人ロングで気を吐いた徳永、面目躍如。 ごくろうさま。 次へ <<前へ 次へ>>