No.135 全国に挑む後輩たち8−3  「その輝き・閃光のごとし」


全国に挑む後輩たち8−3  「その輝き・閃光のごとし」

★後藤の苦しみ 100mと打って変わって、200mは向かい風のレースとなった。 200m予選 1組 伊藤裕一郎 6着 22"42 −1.0 2組 石川謙一 6着 22"64 −0.7 3組 後藤乃毅 1着 21"98 −0.9 やはり伊藤、石川も調子は良くない。 向かい風の中、初めての21秒台をマークした後藤は好調に思えた。 (向かい風自己新記録なので・・・) OBの中山とテントに行くと、後藤はぐったり・・・ 応援に来たご両親も心配そうだ。 2年生として連日100m3本、リレーを2本走っているので 少々スタミナ切れしている様子。 自己記録更新しているのでコンディションは良いのだろうが、 プレッシャーも大きいのであろう。 他のレースでは、栃木県大会を21秒6台で制した1年生も、予選で敗退。 やはり準決勝のない関東の予選は厳しい。 100mに続き、石塚選手の好調さが伺われた。 南関東の予選では、昨年のJr五輪で後藤が負けた早稲田実業の選手が 21秒5で走り、圧倒していた。 後藤は200mの決勝が最後のレースなので、それまで休息。 ★決勝の厳しさ 後藤の疲れは回復しない様子。決勝の直前までテントで横になっていた。 一つ内側に石塚選手を置くレーンで始まった決勝。 スタートから後藤は伸びない。直線で完全に石塚選手に引き離される状態。 それどころか他県の選手が前に出てきた! 「がんばれ!!」 後藤の勝負強さに期待するしかない。 カメラ越しに見ていた私は順位がわからなかった。 「どうだった?」森丘に尋ねると 「6位には入ったようですが・・・」との答え。 後藤は22秒10.向かい風1,7mもの厳しいレースであった。 ランキング的に3位くらいか・・・と思ったが5位タイであった。 つまり実質6番目。肝を冷やすレースであった。 栃木勢が2位〜5位までを占めるレースとなって、 今大会「短距離栃木」を印象付ける結果となった。 優勝はもちろん100mに続き石塚選手・土浦三。 この風を突き21秒2台の好記録をマークし、インターハイでは 大阪高校の金丸選手と優勝争いを演じることになりそうだ。 5位タイとは後藤としても不本意だろうが、追い風1.5mくらいで 21秒78だった県を考えると決して悪くない気がするのだが ・ ・・・私のひいき目か(笑) しかしこの5位タイで3、5ポイントという数字が、後の総合杯で 大きな意味を持つことになろうとは誰も予期はできなかったであろう。 ★伊藤、石川の復活 残念ながら力を発揮できなかった伊藤、石川だが 1600mR予選のためには良かったかもしれない。 200m決勝と、1600mRの掛け持ちではかなりきつかろう。 関東のマイルリレーは予選からチームベストでないと危ない。 全く余裕などないのだ。 リレーにすべてをかける伊藤らが力走。 ようやく本来の走りが戻ってきた様子。3分20秒14で組のトップ通過。 まずは明日につながった。 ★「赤き疾風」の中心・奥岡 不安だった400mH制覇で吹っ切れた奥岡。 スタミナの回復を証明できたことで、精神的にも上向いている。 予選からトップ通過。準決勝では14秒97をマークして冴え渡る。 決勝はやや向かい風の中スタート。 実に安定したハードリングで、危なげなく優勝!! −1.1mで14秒96を堂々マーク。決勝は埼玉勢で表彰台独占であった。 この瞬間、奥岡は関東二冠という大偉業を成し遂げたことになったのだ。 関東個人種目二冠は、21年前の瀬上祐司(37回・砲丸、円盤)までさかのぼる。 トラック種目では28年前の奥谷正伸さん(30回・400m400mH)以来だ。 ちなみに2人は、それぞれ2種目ともインターハイも入賞している。 関東を2種目制するということは、それくらいの偉業であり、 全国トップクラスの実力がないと成し得ないということなのである。 両ハードルを勝ったという事で、運動神経、走力、技術力が 秀でた選手であることの証明が全国に打電された瞬間であったのだ。 主将・奥岡信也・・・見事であった。 <<前へ 次へ>>