No.152 赤き疾風 それぞれの県大会


3、★100m200m2年連続3人関東へ 詳細はOB部報にあったので、監督の心情のこもったリポートを読んでいただきたい。 100mは向かい風、降雨、低温の中、後藤は堂々の優勝。 風邪で体調はベストではなかったそうだが、あわてる様子もなく圧勝。 精神的にも成長している。 普通、「勝って当たり前」という立場になるとプレッシャーも感じそうなものだが、 それを愉しんでいるかのようにも思える。 1,4,6、位を占めて「赤シャツ」が早くも席巻。 田中が準決勝で10秒76のベストをマーク。好調だ。 石川も11秒05の自己新記録を準決勝で。 男子100m決勝 順位 レーン   ナンバー   氏名 所属 記録 1 7 111 後藤 乃毅 (3) 春日部 10.61 2 6 5161 吉田 格也 (3) 伊奈学園総 10.83 3 5 5013 塚越 健太郎 (3) 西武文理 10.90 4 4 101 田中 俊 (3) 春日部 10.90 5 2 1713 佐々木 祐輔 (3) 武南 11.01 6 3 91 石川 謙一 (3) 春日部 11.06 7 9 888 関根 幸大 (2) 進修館 11.07 8 8 3031 古川 瑞穂 (3) 埼玉栄 11.07 また200mは後藤が苦手と自負していた種目ではあるが、今年は違う。 というより爆発的な記録更新を成し遂げた。 なんと「21秒46!」しかも向かい風1,8mという悪条件である。 2005年高校ランク5位相当。(怪物・金丸と石塚を入れてのもの) これは一気にインターハイの表彰台中央も見えてきた記録だ。 田中は22秒00(大幅自己新)をマークして石川に始めて雪辱した。 石川も自己記録は22秒08だから、実質22秒10(−1.8)は 自己記録更新といえるものだろう。 3人とも非常に好調なすべりだしだ。 男子200m決勝 決勝 風: -1.8 順位 レーン   ナンバー   氏名 所属 記録   コメント 1 7 111 後藤 乃毅 (3) 春日部 21.46 2 4 3940 高橋 淳一 (3) 飯能南 21.76 3 6 5161 吉田 格也 (3) 伊奈学園総 21.92 4 5 101 田中 俊 (3) 春日部 22.00 5 8 3031 古川 瑞穂 (3) 埼玉栄 22.08 6 9 91 石川 謙一 (3) 春日部 22.10 7 2 888 関根 幸大 (2) 進修館 22.21 8 3 3371 吉田 俊樹 (3) 栗橋 22.24 ★ 4、後藤の進化 状況を見ると後藤は特に大きく、確実に成長している事に疑う余地はない。 本来、中学生で10秒88に到達してしまうと、記録が頭打ちになるのは珍しくないのだが。 100mという極限の種目で、中学選手権と高校総体の二冠を獲得することができるのは 極めて稀である。 その昔では1983年の不破選手(農大二校)、最近では相川選手(市立船橋)くらいか・・・ 中学を制した木村選手(奈良添上)は、昨年2位に終わっている。 それくらいの域に15歳で達してしまった選手を、継続して成長させるのは逆に困難なはず。 大塚監督の指導で、後藤は各段階をステップアップして見事にコンマ4秒も伸ばしてきた。 自己記録こそ、追い風を受け、チャンピオンの石塚選手と争った昨年の10秒52ではあるが、 確実にその付近ではいつでも走れる。安定している。 風、天候しだいなら10秒4台は確実だろう。 何より不得手としていた200mのタイムをみれば、昨年とは全く異なる頼もしい成長振りだ。 「先行逃げ切り」が昨年までの必勝パターンであるが、 今年は進化して「先行突き放し」で行けそうな感触がある。 将来的展望を考えても、100mが本当に速い選手は200mも強い・・・ というのは素人考えにも解かる。 昨年競った金丸選手、石塚選手、日本代表では末續 慎吾、伊東 浩司、 スーパースターにおいてもカールルイス、モーリスグリーン、ジャスティンガトリンらは 複数回100m200mともに世界を制している。(みな100m世界記録達成) 今は亡きフローレンスジョイナー(女子100m200m世界記録保持者)も、」ソウル五輪ではマイルレース決勝のラップで47秒台をマークしたほどだ。 ロスの少ない効率の良い走りは、距離がのびても継続できるのかもしれない。 いずれにせよダッシュだけでは世界とは戦えないのだろう。 後藤は世界への挑戦を視野にいれるべき選手だから。 県大会は偶然100m200mともに春高1.4.6位が同名で並んだ結果となった。 田中は10秒6台と、21秒台突入を目指すし、 石川も200mでのインターハイを十分狙うだろう。 田中は100mで石川は200mで昨年既に関東を経験している。 その経験は確実に生きてくるはずだ。 短距離3人に関しては、監督も方向性がはっきりみえたのではなかろうか? トレーニング方法は成功した。 あとはピーキングをビッグゲームに合わせる大仕事が待っている。 強い選手というのは、自己最高記録もさることながら ビッグゲームや悪天候、悪条件でも揺るがないことだと思う。 3人は頼もしいくらいに、たくましくなった。(OBのひいき目か・・?) いずれにせよ全国の高校生にライバル達に 「春日部高校の好発進!」は打電されたであろう。 熱き大阪へのろしは上げられた。 先制パンチを打ったのは、もちろん春日部高校陸上部だ。 また今年も「赤い疾風」が関東を、そして全国を駆け抜ける。 いや、すでに「吹き続いている」といってよいだろう。 37回 のもと

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