No.166 赤き疾風 アナザーストーリー1 後藤先輩の想い


★ 様々な熱い想い 選手を応援する側も様々な場面、背景があった。 インターハイが終了した現在、そのいくつかを紹介したい。 苦々しい想いもあるし、明るい展望の話もある。 現役選手の未来への糧になれば幸いだ。 ★ 後藤 均先輩の想い 後藤さんは我々と酒を酌み交わしながら語った。 「試合の後こそ大切だ。監督と選手みんなを称えたい。 春日部高校陸上部は、強い子だけを選別して、戦力にならない子たちを 分けて戦う「プロ」のようなチームではない。 確かに、そういう戦法を選ぶ高校もあるかもしれん。 それはそれでいい。しかし、春高は、むしろ最初の東部大会を何とか通過して、 県大会に出場する選手を一人でも多く後押しするクラブだ。 力及ばず悔し涙を流すのが、東部の準決勝かもしれんし、 インターハイかもしれん。でもみんなで頑張った結果なのだから、 それでいいのだと思う。関根先生の精神はそこにある。 だから、私らと30年も40年も離れた君たち(私ら)が こうして学生を一緒に応援し、酒を酌み交わせるんだ。 今の子供たちの活躍に延々とつながっているんだ。 今後も彼らを静かに見守っていこう。」 先述した「春高はチームプレイ」であることを裏付けるお言葉であった。 スター選手重視でなく、「全員陸上」を貫くことこそ、 脈々と流れる春高陸上部の根源なのだと。 この方の器の大きさには、いつもまいってしまう。 自身は日本陸上史に功績を残す、元アジア大会日本代表選手なのに。 ★ 徳永の想い 54回の徳永 剛から今大会のメンバーにコメントがある。 徳永は高校時代関東のリレーで、6位以内でフィニッシュし インターハイ出場を決めたと喜んだ。 しかし、ある高校からクレームがついて、確固たる証拠もないまま 失格を告げられた。 高野監督は猛抗議。 しかしグレイゾーンのまま、判定は覆らなかった。 悔しかった。 400mで春高歴代4位の記録を持つ彼は、インターハイは出場したものの 力を発揮できずに終えた。 横浜国立に進んでから徳永は爆走した。 200m400mで関東インカレで入賞し、 4年生のときは埼玉選手権で400mを制した。 ・・・・・以下、春高を、リレーを愛する彼からのコメント。 同じ時代に生まれ 同じ時を分かち合い 同じ目標のために 死力を尽くして戦った仲間たち。これ以上の財産は無いです。 最後まで走り抜いた自分と仲間を誇りに思い、これからも頑張ってください。 本当にお疲れさまでした。パワーをくれてありがとう。        高53回 徳永                  以上

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