Nomotoさんのお話 No.94　春高記録物語Ⅰ嵯峨根裕之さん1

No.94　春高記録物語Ⅰ　　嵯峨根裕之さん1

★嵯峨根裕之先輩１９７９年の滋賀インターハイ幅跳び３位。７m３０の春高記録保持者。日韓高校日本代表である。さらに細かく言うと、関東インターハイ400mR優勝メンバー。こちらは当時全国ランク6位であったが、インターハイはバトンミスで準決勝で涙を飲む。「ああ、あのメンバーなら４位くらいにはなったんじゃあない？」と現場にいた竹村氏はいう。小谷さん高橋良一さんが10秒9、関根さんが11秒1くらい。嵯峨根さんに至っては「加速走の鬼」であり、伝説の100m加速走9秒台！！のエピソードは私らでも知っていたほど。長らく４２秒４８の春高記録は破られなかったが、ようやく高野監督の元で更新２０年を要してしまった。 ★当時の春高陸上部嵯峨根さんの入学した時はすごかった。３年生は奥谷さんと鈴木さんがインターハイで３種目に入賞し、翌年は大塚さんが（現監督）混成で準優勝している。この２年間でインターハイ13点をたたき出しているのだ。嵯峨根さんいわく、同級生がまたすごかったという。千葉県の１００mチャンピオン（小谷さん）高跳びの埼玉チャンピオン（三浦さん）など有能経験者がめじろ押しであったと・・・。そんな中にあって自分はやっていけるのか・・・と不安すら感じたという。 ★専門は？実は嵯峨根さんは走り高跳びの選手でもある。中学時代は１m７４cmの記録であったが１m９５cmまでアップ。加えて三段跳１４m３３の記録を有する。嵯峨根さんは言っていた。幅と三段跳びは似ているが、助走も踏み切りも目的が違い、タイミングも全く違うのだと。滋賀インターハイ三段跳び優勝の兵頭選手（高知農業）が語っていたらしい。「幅跳びにもエントリーはしているが、三段跳びで勝てればいいんだ。全然違うからね」（このインターハイの幅跳びは７m０４cmで予選落ちしている） ★デビューさておき、デビューの東部大会（１９７７）で早々に１m８２をマークして３位入賞を果たす。才能の片鱗が明らかに。その試合では春高が旋風を巻き起こしていた。奥谷さん（高３０回）ひきいるマイルチームが４００m上位独占し、ハードル共に圧勝。おそらく春高史上４００m最強の時代であったであろう年。県大会で１、２、３位独占。関東でも１、２、５位を獲得。何と関東インターハイで４００m、４００mR、１６００mR、砲丸、円盤の計「５冠」を成し遂げたのであった。さぞかし嵯峨根さんにも鮮烈に映ったに違い無い。 ★幅と４００mRへ大塚さんらの福島インターハイの活躍で、いよいよ来年は！という風紀がただよう１９７８年（昭和５３年）の新人戦。まず東部地区で１m９５の春高記録に到達する。三浦さんと高跳びで１、２位。１年生の関根さんも２００m２３秒で駆け抜け、幅跳びで早々に優勝。嵯峨根さんは三段跳びでも優勝。続く県新人は高跳びで４位に入り、さらなる期待が膨らむ。４００mRは意外にも県新人６位どまりであった。いよいよ３年生の春が来た。何となく・・・で始めた幅跳びも大当たり。デビューで６m８３cmを記録し、関根さんと東部大会で１、２位に。これには意外に驚いたという嵯峨根さん。勢いに載って県大会でも６m９０cmで再び１、２位独占。三段跳びも１４m１９で表彰台に。春高はこの大会で跳躍種目でのべ５人の入賞を果たした「跳躍王国」となった。この時点ではまだ嵯峨根さんは、県大会を制覇した４００mRの伏線として幅跳びを考えていたという。しかし高跳び２m近いバネと三段跳び１４mの筋力、加速走では短距離選手を凌駕するスピード・・・となると、「幅跳び」は必然的な決定であると思う。というより、跳べないはずがないと想定するだろう。余談だが、この後も関根さんは県新人２連覇したため、春高は秋、春、秋と県大会幅跳びで３連覇したという事になる。（その後、ずーっと勝っていない。東部３位が「いっぱいいっぱい」だった　野本） ★関東大会２年前は春高マイル制覇の余韻もある関東大会。前年のインターハイ４００mR優勝の水戸工業を軽く抑え、４００mRで関東大会を制した！ランキングも全国６位。リレーの全国ランクとなると名門古豪が参列していた。ランク1位：相模工大付属42.1 　　　2位：清水市立商42.3 3位：宮崎工42.4、宇治山田42.4 5位：高島（滋賀）42.47 屈強なる常連校ばかりである。緊張する先輩らを前に小原監督は言った。「いいか、ランキングは６位くらいがちょうどいいんだ。トップだと緊張して大変だからな。」名言である。１９７９年関東大会結果 4×100ｍR 1位：春日部42.76 　（予選の記録42.48は全国ランキング6位） 2位：伊勢崎商42.84 3位：前橋工43.19 4位：農大二43.21 5位：飯能43.29 6位：水戸工43.43 走幅 1位：中山（富岡）7.10 2位：嵯峨根7.08（全国ランキング15位。ランキング1位は、インハイ優勝の井上（鹿児島南）7.54） 3位：小倉（桐生工）7.03 4位：加藤（富岡）7.00 5位：飯田（埼玉栄）6.96 6位：藤田（黒磯南）6.88 三段 1位：松本（富岡）14.37 2位：嵯峨根14.33（全国ランキング22位。ランキング1位は、木村（逗子開成）15.21。インハイ優勝は、兵頭（高知農15.35） 3位：佐藤（氏家）14.32 4位：藤本（飯能）14.24 5位：小倉（桐生工）14.22 6位：岡安（鴻巣）14.21 関東学校対抗得点 1位：水戸工35（3年連続6度目の優勝と埼玉新聞に記載あり） 2位：富岡28 3位：中之条24 4位：武南23 5位：鴻巣17 6位：春日部16 嵯峨根さんは２種目とも６回目でトップにたつが、後から跳躍した選手に抜かれ２位になった。しかしこれで念願の７m超えがかなった。「始めたばかりで、タイミングもよくわからない感じ・・でも新鮮で跳ぶ度に記録がでて面白かった！」と後に語っている。うーん・・・（始めて６mを超えた時、どきどきした事は言えない　のもと歯科）ちなみに嵯峨根さんの高跳びは惜しくも落選してしまった。「いやあ急に暑くなったんで調子が・・・」との嵯峨根さんの弁に、小原監督は「何を言っておる！暑いのはみな同じだ」と一蹴。うーん、気まずい（汗）小原監督の声は我々には恐いのである。さていよいよインターハイである。筆　のもと歯科 <<前の記事へ次の記事へ>>

No.94 春高記録物語Ⅰ 嵯峨根裕之さん1

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