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No.97 アテネは誰に?時代に選ばれた高橋尚子



アテネは誰に?時代に選ばれた高橋尚子

★東京国際の「まさか!」 アテネ五輪の日本女子代表はもはや国民的重大ニュースであるのは言うまでも無い。 選考レースの視聴率は、野球の日本シリーズをしのぐらしい。高橋が出場する東京国 際は、余裕の優勝でみなが安心するはずだった。・・・が、しかし! ★予想外のファクター 結果は後述する通りであるが、よもやの敗退。しかも27分台。・・・・なぜ? 一つは気温。11月なのに二十度を越える気温は体調を狂わせたろう。風も災いした が、気温は「ハプニング」であるといっていい。敗因の二つ目はそのプレッシャー か。「疲労骨折でパリ代表は逃したが、自分は五輪金メダリストである」と、言いた いはず。したがってたとえ2時間23分くらいで勝ったとしても、クレームがつく代表 入りでは納得できないのだ。「20分を切るつもりでないとだめだよ!」と、小出監督 の事前コメント。代表1番乗りできなかった「女王」への激励であり、圧勝して存在 感を誇示したい高橋のプライドでもあったろう。早々に2時間20分切りを目標とした ハイペース。ロバでさえ相手にならない。(ロバはアトランタの金メダリスト。もは や現在では「過去の人」扱いだが・・・)折り返しを向かえ、「ああ、楽勝!よかっ た・・・」と全国民が思った。・・・が。 しかし脚は止まってしまった。エチオピアのアレムは実際に強かった。39キロで抜 かれ、さらにガソリン切れの高橋は最後の2キロを9分も費やした。後ろを振り返り、 日本人が来ないかを心配するばかり。まさかリタイヤか?とまで思わせるふらつきぶ りだったが、それでも懸命に走りきって27分台でのゴールイン。敗因の三つ目は、過 剰に追い込んで作りすぎた身体のスタミナ計算だろうか。皮下脂肪をそぎ落とした風 貌。完璧なる完勝を求めすぎた故か、筋肉の隆起が分かりすぎる程。鍛えたというよ りは、まるで飢餓を連想させるくらい痛々しいものを感じたのは私だけだろうか。 ちなみに歯学部の後輩も試験の間をぬって参加し、スタート時は高橋の後ろを走っ た。文武とも名門・横須賀高校の卒業だが、受験優先の高校生活でインターハイは経 験していない。しかし大学進学後はどんどん自己研鑽を積み、2時間30分台のタイム をマークに至った優秀な子女である。もちろん学業も秀逸。 http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/9312/shasin.html(参照04・02 ・25現在) 2003.11.16 東京国際女子マラソン 東京国際女子マラソン 【11月16日:東京】 《 女 子 》 ★★★★ マラソン 1) 2.24.47. E・アレム (エチオピア) 2) 2.27.21. 高橋 尚子 (SNA航空) 3) 2.31.10. 嶋原 清子 (資生堂) 4) 2.34.32. B・ジェノベーゼ(イタリア) 5) 2.37.03. F・ロバ (エチオピア) 6) 2.38.31. 吉松 久恵 (テレビ朝日) 7) 2.39.01. I・ティモフェエワ (ロシア) 8) 2.39.28. 橋本 有香 (天満屋) 9) 2.42.52. 高仲未来恵 (京セラ) 10) 2.44.16. 石戸 香 (カネヒラRC) 11) 2.44.41. 田橋 里花 (サニックス) 12) 2.45.12. 小池 瞳 (国際総合建設) 13) 2.47.33. G・シレック(ポーランド) 14) 2.48.32. C・ドーブル(英 国) 15) 2.48.46. 松本 春美 (岡山ITC) 16) 2.49.59. 広瀬 光子 (東京陸協) 17) 2.50.07. 菅野 朋子 (埼玉陸協) 18) 2.53.33. 渡村 恵子 (東京陸協) 19) 2.53.48. 岩本 香里 (吹田ヘルス) 20) 2.53.55. 小川ミーナ (アミノバイタ) 21) 2.54.11. 太田 尚子 (苫小牧陸協) 22) 2.54.23. 外山 愛 (ワールドBB) 23) 2.54.35. 新城かおり (東芝松下) 24) 2.54.57. 西原理恵子 (日 大) ★そのときライバルらは・・・ 東京が予想外の展開に終わった瞬間、候補者達はどう思ったろう。日本人トップか、 優勝で決まる代表。東京国際で高橋と競り合う危険をみんなが避け、大阪国際で残っ た一枚を争うはずだった。千葉、渋井、広山ら・・・・まさか高橋が大阪に来るのか ? しかし高橋は大阪参加を否定。もしかしたら・・・2時間26分以下で走れれば代表も 夢ではない。ここで言い知れぬプレッシャーが皆に及んだ。 あけてみれば「呪縛」にかかっていた。吹雪の朝で気温は3・8度。坂本の優勝で代 表は追加されたが、2位の千葉は高橋に20秒近く及ばない。自動的に候補達は落選し た。 なんという強運の高橋尚子。これまで記録が悪いから人気だけで代表入りか・・・と 悪態をつくマスコミも多かった。しかし選定条件に沿うのは彼女だけになったのだ。 大阪の結果に小出監督も意気揚々。残る名古屋は土佐くらいしか候補は見当たらない が、故障続きであるのは周知の事実。 ★天に選ばれた高橋尚子 やはり高橋尚子は「時の巫女(みこ)」なのかもしれない。 好記録を持つが惜しくも・・・は日本の過去に幾人か存在した。しかしシドニーの経 緯をみる限り、話題、容貌、人気、実力の全てを備えて金メダル獲得するには「時代 に選ばれた人間」の資質が必要だと思う。天も彼女に味方している。 願わくは名古屋で中途半端に2時間23分くらいが出ないことを祈る。ビギナーが記録 を出してしまって、かつ国民的高橋尚子を抑えて代表入り・・・もしそうでもなった ら、様々な環境の取り巻きがその選手の競技人生をダメにしてしまいそうな気がす る。有森も高橋も、夏の国際大会(世界陸上、アジア大会)で結果をだせる器であっ た。 過去の五輪マラソンを見る限り、冬の国内予選一発で選ばれた選手は「五輪では勝負 にならない」のは事実なのだ。 大阪国際女子マラソン 【 1月25日:大阪】 《 女 子 》 ★★★★ マラソン 1) 2.25.29. 坂本 直子 (天満屋) 2) 2.27.38. 千葉 真子 (豊田自動織機) 3) 2.27.40. 大南 博美 (UFJ銀行) 4) 2.29.49. 那須川瑞穂 (アルゼ) 5) 2.31.07. 弘山 晴美 (資生堂) 6) 2.31.18. 北島 良子 (みずほ銀行) 7) 2.31.47. R・パラドウスカ(ポーランド) 8) 2.32.15. 小鳥田貴子 (デオデオ) 9) 2.33.02. 渋井 陽子 (三井住友海上) 10) 2.34.58. A・ジジ (エチオピア) 11) 2.35.28. 北山由美子 (天満屋) 12) 2.35.59. L・タルポシュ (ルーマニア) 13) 2.36.27. 大越 一恵 (ダイハツ) 14) 2.36.46. S・スタイク (ハンガリー) 15) 2.36.56. 小尾 麻美 (スターツ) 16) 2.38.12. 杉原 愛 (大塚製薬) 17) 2.39.11. 小幡佳代子 (アコム) 筆 のもと歯科 (04/02/25) <<前の記事へ 次の記事へ>>